“pianic,water,memory”

「イベント当日まで」

2017M3秋に出した新譜について色々書きます。解説というか、自分が忘れないように というのと、僕がこういう音楽の解説読むのが好きなので。

「10/29は出勤です😌😊」

“死”の告知であった。

申し込んだのは6月で、長いこと楽しみにしていたイベント当日を黒く塗り潰された僕は完全に欠席するつもりでした。そもそも9月後半時点で 1曲のデモと2曲目のイントロしかできていない。これ無理。人間できることとできないことがあるんですよ。

心が粉々になってしまったので、1週間くらい何もせずに「イベント欠席か、、、生きる意味とは、、。。」と放心状態。僕の心は 宝石たちのようにすぐ繋ぎ合わせられないしあんなに綺麗でもない。(宝石の国にハマっている)

イベントは諦めてたけど そんな中なぜか作りかけの曲に着手し、「この曲だけでも出したい💢」と半ばやけくそ気味にボーカルさんを探しに ネットの海へ旅立つのでした。

ボーカルさんに かなり雑な状態のデモ音源を渡して歌ってもらう、抽象的な表現の注文をしまくる、ベースの練習をしながらレコる、イベント前日に10分でCDジャケを書き殴る、歌詞カードなし、という数々の悪行の限りを尽くし 完成(?)させたのがこのCDなのです。あれなんか印象悪いな?でも とっても素敵な作品にできたと思ってます。なんてこと書いてたら 以下2曲目まで書いてあった下書きが全部消えてて泣いたので こっからはさくさくいきますね(泣)

1.ないあるらとほてっぷ

1曲目ですね。

曲名で 「?」となる人と「!」となる人で分かれると思います。クトゥルフの“Nyarlathotep”です。這い寄る混沌。

そこから派生して 常にあなたに這い寄るもの つきまとう得体の知れない不安、といったものが歌詞のテーマになっています。

また、今年 はじめて名古屋コミティアに行ったんですけど、その時のことも歌詞に反映されていますね。

昔は 色んなラクガキをしたり物語を空想したり、、でも大人になっていって そういったことも時間もなくなっていってしまう。誰のせいでもないことだけども。

気付いたら 何かに追われるような 得体の知れない不安に満たされる日々になってしまった。それでも あの時の感情とか幻をもう一度拾って(あるいはずっと持ち続けて)何かを創作するのは とても素敵なことだと思うのです。

“何か”はずっと どこに逃げてもあなたに這い寄って付いてくる。逃げ場なんて そもそもどこにもないのだから、どこへ行くのも 何をするのも好きに決めてしまえばいい。感情とか幻を作るのも、それに没頭することも 現実からの“逃避”なんかじゃなく、とても素晴らしいことだ。これは 得体の知れない不安、焦燥感に満ちた日常の中にいる 同人作家、あらゆる表現者、そして受け手(曲を聴いてくれたあなたのことです)に向けた思いでありメッセージなのです。

2.アンサンブル・メモリー
これは3曲の中で1番最後にできた曲ですね。「ないあるらと」「恋と夕暮れ」でほぼ力尽きていたので、最初のアイデアが生まれるまで死ぬかと思いました。

他の2曲が ガッツリしてるので、あいだに軽ーく聴けるようなアコースティックポップを作ろうと計画してたんですけど、聴いての通り その目論見とは真逆の方向へいってます。

このとき 久々にmy bloody valentineを聴いていて、「Loomer」という曲を聴いて「これだ!こんな感じでいこう!」となった記憶があります。軽くなるわけがねぇ。

音的にはシューゲイザーで、その上に馴染みやすい綺麗なメロディで“うた”を作るというのが目的意識でした。

歌詞は 過去の暖かい記憶 がテーマになっています。辛い嫌な記憶より 暖かい記憶のほうが時には苦しく感じることがある、ということ。もうここにはいない人だったり、今と比べてしまったりして。苦しまないように 深く沈めてしまっている暖かい記憶の数々を、壊さずに最後には全部持っていけるようになれたら、という願いを歌っています。

そんな歌詞を書いていたら、自分がどんどん暗く落ちに落ちてしまって、「も、もう無理……、、」と製作中とても苦しんだ曲でもあります。

それでも ハルカナさんの声が入ったことで、“重たい”イメージ よりも、この詩が持つ“暖かさ”“願い”のイメージのほうが前に出てきてくれて、救われました。

3.恋と夕暮れの旋律
この前はここまで書いて消えたんですよね。(息切れ)

この曲ができたからCDが作れたと言っても嘘じゃないくらい大切で気に入っている曲です。

その時点では イントロとaメロしかなかったのですが、これは特別な曲になりそうだと感じました。なぜか。

ミドルテンポの聴きやすい歌もの、というのが大前提にあって、かつ様々な仕掛けや展開を仕込んで、はじめてイントロを聴いた時と、最後まで聴き終わった時とでは、“全く違う印象になっている”ような作品にする、という狙いがありました。

1番終わりまでは普通に展開し、2番で突然ピアノがスタッカート気味になって、16分のビートに変化する、という 同じメロディでありながら景色をガラッと変える感じがとても気に入っています。

中盤でABサビ以外の新しい歌メロが出てきますが、実はイントロのピアノのフレーズと同じメロディで、曲の最後に答え合わせのように、歌とピアノがシンクロしてドラムが暴れまわって静かに終わる、ドキドキするよね…いい曲だなこれ……。

あと、この曲が3つの中で1番歌うのが難しいと思います。ハルカナさん さらーーっと歌ってるように聴こえるので難しそうに感じないかもですが、口ずさんでみてください。無理です。息継ぎからメロディまで難しいです。ボーカル音源を受け取ったとき、あまりにイメージぴったりで感動してしまった。(ちゃんと人間が歌える曲だったんだ…)

歌詞は“大人になること、時間と共に失ってしまうもの”についてです。ないあるらと~と結構似ていますが、こっちは女の子視点 って感じがしますね。ないあるらとは、そのまま僕の言葉なのですが、こっちは“自身の立場や気持ちを 一人の女の子というキャラクターを通して間接的に表現する。かつ、作者(僕)の姿を感じさせず、その子が生きて動いているような詩と歌の世界にする”という目的意識がありました。

今までは、フレーズ的な歌詞が多かったのですが、この曲の出だし部分が書けたことは大きなターニングポイントだと思えました。

大人になること、もう戻れないことから来る希死念慮。それは特別なものなんかじゃなく、当然として芽生えてしまうものだと思ってます。それを“絶望”とか“悲しい”だとか、まして曲の最後に“そこから救う”なんて結論に持っていくわけではなく、それらを抱えたまま なんとなく夕焼けを見上げて自分や世界、死のことをぼんやりと考えて漂ってしまう。そんな1人の女の子を描くことだけに意識を向けています。なので“何かを伝えたい”とか“メッセージ”からは程遠い歌詞なんですね。ただ“表現しただけ”ですが、そこから聴いた人それぞれが何かを思ってくれたりしたら、なんてことを思います。“伝えたいこと”がなくても、からっぽでも、音楽は音楽でいられるのです。この曲の女の子のように。

「おわりに」

長い!!!

もっとコンパクトにまとめるつもりだったのですが、、、、????

これからもイベントとか出たり、曲をアップしたりしていくので聴いてもらえたらこれ以上なく嬉しいです。コミティア出たいので申し込みます。漫画は子どもの頃からの憧れなので描きたいです。描きたいなあ…。



nonorain

(C)2018 nonorain.